塩素フリー化とISO14000S
ホーム ] 会社案内 ] 製品案内 ] 金属加工油の話 ] サンプル依頼 ]

 

 

 

 
塩素フリー化とISO14000S

切削油剤には極圧添加剤として、従来より塩素系化合物が利用されてきました。
これは化学反応により加工物表面に反応膜を形成し切削抵抗の抵抗の低下、構成刃先の抑制等の効果を発揮し、加工性能の向上に役立っています。

しかし環境問題への関心の高まり、近年のダイオキシン問題から塩素系切削油剤は敬遠される傾向がユーザーの間に広がりつつあります。
これは廃油として最終的に焼却処分される際に、「発癌性物質のダイオキシンが高濃度で生成」「酸性物質の大気放出(酸性雨、大気汚染)」の問題が分かってきたからです。
また廃油処理業者からも環境問題と合わせ燃焼炉の酸腐食の問題からも塩素含有廃液の処理業者の引き取り拒否や料金の上乗せ等が出ています。
特に最近では金属加工油の切削熱でもダイオキシンが生成されているのではないかと指摘されてきました。

アメリカにおいてはNTPが「特定の塩素化パラフィンは発癌性がある」と発表、EPAの有害リストに記載されています。
ドイツにおいては、塩素化パラフィンを大気汚染防止の立場から廃液中の塩素量を規制しヨーロッパの油剤メーカーは2000年までに金属加工用の塩素化パラフィンを全廃するという自主規制で合意しています。
これらの結果から、今後使用制限や廃棄物の規制が厳しくなる傾向が予想されます。
日本においては規制の動きは鈍く、平成10年4月より通産省が「塩素系添加物を含有する切削油剤の調査」を始め平成12年後半頃よりJISでの塩素含有の切削油剤の規定を削除する方向に進んでいます。

ISO14000シリーズの目的とは環境の継続的改善であり、組織が環境調和型行動を自主的にとっていく為に経営システムの中に組み込んでいくことをいいます。
猛毒のダイオキシンの発生や大気汚染の原因となる塩素化合物を含有しない切削油剤を使用することは、ISO14000シリーズの理念に合致しているといえます。